こんにちは、5月のゴールデンウイークが終わって一息ついているFavomag編集部の高井です。ゴールデンウィーク中に、高岡市では高岡御車山祭が開催さてれ、大いに盛り上がりました。・・・しかし!もう一つ5月15日にあるお祭りを忘れてはいけません!
その名も、「伏木(ふしき)曳山祭(ひきやままつり)」です。
通称、「けんかやま」と呼ばれ、伏木神社のお祭りなのです。
伏木(ふしき)ってどこにあるの?
富山県高岡市にある伏木という地区は、日本海に面した町民がわずか数千人という小さな町です。その昔は越中国(現富山県)の国府(県庁所在地)がおかれていた町だったのです。
砂浜や港があることから、昔は海陸交通、漁業の町として大きく発展してきました。江戸時代には北前船が多く停留していて大いににぎわっていたそうです。
昭和に入り、高岡市に吸収合併され、今は「伏木」という地名が残っています。
いまではとても静かな伏木ですが、毎年5月15日には、必ず町を出て行った若者が帰ってきます。
昭和の写真を見ても、活気がみなぎっているのがわかりますね!
伏木曳山祭とけんか山の歴史
伏木曳山祭は、港町の海上安全と海岸を鎮護する伏木神社の春の祭礼として行われています。始まりは江戸時代後期の1814年。海岸にあった神社が波で崩れ、現在の場所にご神体をお渡しするときときの乗り物として曳山が造られたと伝えられています。
「けんかやま」は伏木神社に奉納される6台の曳山を町内曳きまわす祭りの総称です。
現在の曳山は6台であるが、もともとは七福神を上座に祭っている曳山なので、本当は7台ありました。
1台は、明治時代の大火により消失、現在も復興に向けて活動を続けています。
午前から午後にかけては、それぞれの曳山が花飾りをつけた豪華絢爛な姿で町を曳きまわす「町内曳き」を行います。この昼間の華やかな曳山は「花山」と呼ばれます。
夕方に曳山を保管している場所の山倉に戻ってきた後、曳山はご神体(七福神)を降ろし、花飾りを取り、数多くの提灯を身にまとった戦闘姿「けんかやま」に変身します。
けんかやまになった6台の曳山は、昼間と同じように町内を曳き回すのだが、20:00と22:30には、それぞれのやまとぶつけあいを行います。
これを通称「かっちゃ」と呼びます。
「かっちゃ」は、「かちあう」が訛った言葉と言われています。
8tある曳山をお互いに力いっぱいぶつけ合う、この祭りのクライマックスなのです。
6台のけんか山(花山)をご紹介!
けんか山の6台にはそれぞれ個性がああります。曳山は建立順に並び、先頭を曳く町が当番町としてその年の総々代を勤めています。総々代はこの祭りの総仕切役として、祭りが終わるその瞬間まで、無事と安全に対して責任を持つのです。
この祭りで特徴的なのが「曳き手は一切飲酒を行わない」ということ。
祭りといえばお酒浴びるように飲んでみんなで盛り上がるというのが日本文化であるが、8tもある曳山を酔っぱらった状態で曳いては大事故につながりかねません。この日の曳き手若衆は、一切酒断ちをして、祭りに臨むのです。
中町・ひょうたん山車
だしのひょうたんは「子孫万代」の言い伝えがあるから、 一個の種子をまけば、百個のひょうたんがなるといわれていることと 併せて、子孫繁栄を表したものです。 また、下山の構造が唯一伊達柱になっているところが特長です。
上町・ささ山車
上町は、江戸時代、船問屋が軒をならべる富裕な地域でした。多数の仙人彫刻とその構図が巧みで知られています。
本町・がんがら山車
本町は、福神に弁財天を奉った山車です。七福神の中で唯一女性の神様を奉っています。竹林の緑が鮮やかです。
寶路町・せんまい山車
山車は千枚分銅です。金銀を秤のおもりの形に鋳造して 不時に備えた重宝で、「富貴蓄財」の願望の象徴です。
石坂町・字山車
「菊慈童」ちなんだ 大輪菊の見事な彫り物が見事です。山車の「寿」は、この山車のテーマである 「不老長寿」の願望を抽象化した吉祥文字です。
湊町・ちょうちょう山車
唐木の後へいや褐色で統一した上山の彫刻など、 全体的に男性的な偉容を誇っています。 朱と金の鮮やかなコントラストも見事です。
復活!!十七軒町・ほら貝山車
高欄には「未来永劫」を表す鶴のほか親子獅子や四神獣の彫刻が施されています。
けんかやまの日程
終わってしまいましたが、2017年けんか山の様子をご紹介します。
5月 3日 倉出し
5月14日 前夜祭「宵山ライトアップ」
5月15日 本祭
5月15日 余興「かっちゃ」
5月3日 倉出し
15日の本祭に備えて準備するために山車を倉から曳き出し、試し曳きを行います。
この頃から、伏木の町全体で、お祭りムードが盛り上がってまいります。
花山車
場所:コミュニティセンター周辺
時間:13:30~15:00
山車:十七軒町
提灯山車
場所:山倉~各山町周辺
時間:18:30~20:30
山車:本町、上町、中町、湊町、石坂町、寶路町
5月14日 前夜祭「宵山ライトアップ」
本祭を翌日に控えた前夜に綺麗に装飾された花山車をライトアップし、 花山車をバックにさまざまなイベントが行われます。
今年は、十七軒町を含めた、7基の山車が並びます。
場所:山倉前
時間:19:00~20:30
5月15日 本祭
花傘や彫物を飾り付けた花山車が、威勢のいいかけごえとともに 伏木の町を練り歩きます。
宵闇が迫る頃、それは提灯山車に姿を変え、激しい 余興(かっちゃ)を繰り広げます。
本町広場に十七軒町含む7基の山車が集合、曳出し、その後伏木駅前にて曳山大酒豪。餅まきイベントが行われます。
湊町金比羅神社にて絵馬大判奉納があり、山倉にて山車が組み変かえられます。
山倉の待機している様子
この時に、花山車から、提灯山車に模様変えするのです。そして、山倉より提灯山車にて曳出しとなります。
5月15日 余興「かっちゃ」
数百個の提灯に灯がともり、雄壮な装いに変わった山車が何度も何度もぶつかり合います。
時間は、19:30からと22:30からの二回を予定していますが、移動するので時間通りにはいかないかもしれません。
それが祭りです。
見どころ・名所
・伏木神社
あくまでもけんかやまは観光行事ではなく、神事です。宮参りから引き回しがはじまり、宮参りを持って終了します。どのやまも必ず伏木神社前に一台づつ礼拝し、引き手は手ぬぐいを取って頭を垂れます。山神楽が流れる中、総代は神木を神社から頂き、やまの中心木にくくりつけます。
この宮参りを持って、曳山は神様が降臨する御車に生まれ変わるのです
・北陸銀行前
かっちゃが行われる会場。メインの大踊りです。
・本町広場
けんかやまは常に2箇所でかっちゃが行われます。北陸銀行前ともう一つの会場です。
・魚取神社
伏木神社の例大祭「けんかやま」ですが、曳山は伏木の町の他の神社にもお参りを行います。
・山倉
山倉に勢ぞろいした曳山を見ることができます。
昼と夜で山車の風貌が変わるなんて、1日いないといけませんね!
いかがでしたか。歴史をさかのぼって解説したら、すっかり長くなってしまいました。山車の数や由来をおさらいしてからお祭りに行くとまた違った面が見えてきますね。豪華絢爛な山車と、提灯で埋め尽くされた山車、どっちもみたいなら、1日がかりで行かないといけませんね!
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