こんにちは、Favomag編集部の北村です。
今回は、今若者を中心に人気の現代アートを扱う「金沢21世紀美術館」をデザインする「人物」に、フォーカスを当てちゃいます!
それでは、見ていきましょう。
金沢を観光するなら、是非とも訪れておきたいのが、「金沢21世紀美術館」!
大学生を対象とした「今までで行った中で、印象に残っている美術館・博物館」のアンケートでは、
なんと断トツ1位で選ばれたほど若者を筆頭に人気があるようです。
さて早速ですが、この建物の形状がまんまるの建物であることはみなさんご存知でしょうか?
世界的建築家チーム“SANAA”(サナア)が設計した施設は、
緑の芝生と白色の壁のコントラストが美しく、そのまんまるな外観からついた愛称は「まるびぃ」。
それぐらいならなんとなく知ってるよっていう方も少なくはないと思いますが、
ではその世界的建築家チーム“SANAA”って何者?そしてあまり知られていない美術館の館長ってダレなんでしょう?
まずは建築のコンセプト
大ゴジラ特撮展開催中の金沢21世紀美術館の外観は地上からはわかりにくいけど円盤状なのです(^^;) pic.twitter.com/47KftGHbVp
— 真・ゴジラ応援団 、 (@ggrasperZX) 2015年10月12日
金沢21世紀美術館は「まちに開かれた公園のような美術館」をコンセプトに、
だれもがいつでも立ち寄ることができて、様々な出会いや体験が可能となる公園のような美術館を目指しているんだそうです。
なので、建物には表と裏のないガラスのアートサークルが採用されていて、
トップライトや光庭などの明るさや開放感にも十分に配慮されています。
夜間はまるびぃをライトアップして夜仕様で開館したり、ショップやレストランなどが設けられているので、かしこまらず気軽に楽しく利用できます。
美術館デザインについて
三方が道路に囲まれている美術館敷地内にどこからでも人々が訪れることができるよう、正面や裏側といった区別のない円形が採用されています。
またその館内にある、展示室やカフェレストラン、アートライブラリーなどはほぼ水平方向に配置されているのですが、なんでも「街」をイメージしているのだとか。
そして建物の回廊部分を一周すると、様々な施設を巡ることができる様な構造になっています。
外壁や建物内の壁面の多くにガラスを採用しているので、とにかく明るく開放的な空間になっています。
同時に、内部と外部など互いに異なる空間にいる者同士がお互いの様子や気配を感じ取ることができるわけです。
余談ですが、金沢21世紀美術館では、知らない人同士でのコミュニケーション頻度も高いように思います。
特に建物の外周部にあたる広場のようなスペースは「交流ゾーン」と呼ばれていて、
そこでは知らない人同士が一緒にアートに触れ合う様子が見受けられます。
たとえば、ドイツ出身のフロリアン・クラールによる「アリーナのための クランクフェルト・ ナンバー3」という作品では、
建物を取り囲む芝生部分に12 個の大きなラッパのような筒が配置されています。
実はこの筒、地中を通る管が2 個ずつペアでつながっていて伝声管の役割を果たしているんですが、
このペアはかならずしも隣同士のラッパがつながっているわけではないので、思わぬところへ声が伝わり、思わぬ声が聞こえてくる仕組みになっています。
なので、どこの誰とつながっているかがわからない状況で、知らない人とおしゃべりする事が出来る作品なのです!
美術館の建物がもたらす開放的な雰囲気もあってか、来場者がみんなフレンドリーになってしまうという点も、この美術館の魅力だなぁとつくづく感じます。
世界的建築家チーム“SANAA”とは?
さて。話がいろいろ脱線してしまいましたが、本題に入ります。
世界的建築家チーム“SANAA”とは一体何者なのかというと、
妹島和世さんと、西沢立衛さんという日本を代表する2人の建築家によるユニットの事なんです。
読み方はサアナと読むのですがSejima and Nishizawa and Associatesの略なんだそうですね。
実は2004年ヴェネチアビエンナーレ国際建築展で金獅子賞、2010年プリツカー賞など、数多くの賞を受賞されていて、
金沢21世紀美術館をはじめ、熊野古道なかへち美術館、飯田市小笠原資料館など、国内における近年の主要な美術館建築を手がけています。
その活躍は日本にとどまらず、1980年代にキース・へリングを紹介した現代アートの美術館としても有名な、アメリカのニューミュージアムや、
2012年にできたルーヴル美術館の分館も手がけられたのだとか。
国内でもニュースになっていたと思うので知っている方も沢山いるかとは思いますが、
世界の芸術の中心といっても過言ではないパリや、現代アートの聖地であるアメリカにある有名な美術館を日本人建築家が手がけているというのは偉業であり、
“SANAA”がいかに世界的に有名な建築家ユニットなのかがよくわかります!
美術館の館長はダレ?
館長はというと、島敦彦さんというお方なんだそうです。
1956年富山市生まれで、早稲田大理工学部金属工学科卒。
80年4月から富山県立近代美術館建設準備室を経て同館学芸員に。
92年11月に国立国際美術館(大阪)に移り学芸課長、副館長を務め、2015年4月から愛知県美術館長に。
国際交流基金国際展事業委員、文化庁芸術選奨選考委員などもされているようで、日本の美術界になくてはならない存在。
なんとこちらの島さんは三代目館長なんだそうです。
就任されたのは今年の2017年4月1日からのようなので、新館長による新しい金沢21世紀美術館にも引き続き期待したいと思います!
作品だけじゃない!美術館そのものがすごかった!
こんなにもスゴい方々が手掛ける美術館が、スゴくないわけがないですよね!
作品自体を鑑賞しに入館するだけでももちろん愉しいですが、
こういったバックボーンを知るとより金沢21世紀美術館が好きになって、より愉しく感じますよね!
お立ち寄りの際は、ぜひ作品と共に美術館をつくっている「人物」にも意識をおいて、まるびぃを回遊してみてください。
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